「中小企業診断士 2次口述試験」は最低限のコミュニケーション能力とプロ意識を確認する場だった

「中小企業診断士 2次口述試験」は最低限のコミュニケーション能力とプロ意識を確認する場だった

2次口述試験から一ヶ月近く経ってしまいましたが、私自身の記憶があるうちに体験を交えて綴っていきます。平成30年度以降の試験のときに、どなたかがこれを生かしてもらえれば嬉しいです。

診断士2次口述試験を振り返る

統計資料から分かること

まずは診断協会の統計資料を過去5年分漁ってみました。

平成29年度 口述試験の受験資格者数:830人/合格者数:828人(合格率99.76%)

平成28年度 口述試験の受験資格者数:842人/合格者数:842人(合格率100%)

平成27年度 口述試験の受験資格者数:944人/合格者数:944人(合格率100%)

平成26年度 口述試験の受験資格者数:1,190人/合格者数:1,185人(合格率99.58%)

平成25年度 口述試験の受験資格者数:915人/合格者数:910人(合格率99.45%)

ここから分かることは、①受験資格を得た人のほぼすべてが合格するが、②極めてまれに不合格になる人が出る、ということです。

考えられる不合格理由

不合格になってしまった方の理由を考えると、大まかに以下3点が思いつきます。

①何らかの理由があり試験に行けなかった

②試験開始時刻に遅刻した

③診断士に求められる最低限のコミュニケーションができなかった

せっかく相当な時間と情熱を費やして口述試験まで進んだとしても、ここで不合格になってしまうのは本当に切ないですし、もったいないとしか言えません。

①②の対策としては、「何があっても会場に向かう」「寝坊だけは避けるためアラームを複数使い目覚め交通機関遅延のリスクを避けるため十分な余裕時間をみて出発する」「会場が遠い場合は前泊する」などしかありません。最低限、これは対応しましょう。

ちなみに私の場合、平成29年度(2017年12月)に東京地区で口述試験を受け、2次筆記試験と同じ立教大学池袋キャンパス5号館が会場でした。10時12分からが面接時間、9時42分(30分前)が集合時間でしたが、7時台には池袋に到着して一度試験会場入り口までいった後、近くのカフェに入り心を落ち着けるようにしていました。会場は寒いので、防寒対策もしっかりしておいたほうが安心です。

③の対策は以下に詳述します。

診断士に求められる最低限のコミュニケーション能力とプロ意識

口述試験の位置付けを考える上で参考になるものに診断士養成過程のパンフレットがあり、ここには「中小企業診断士に求められる基本能力(OS)」が分類されています。養成過程で養うべき能力に対応するものを2次試験で確認しているとすれば、あくまで仮説ではありますが

・2次筆記試験では現場感覚(事例にあわせた対応)と戦略的思考力(分析力・論理力・構想力・統合力)を見ているのに対し

・2次口述試験ではコミュニケーション能力(特に傾聴力・説得力)とプロフェッショナルとしての意識(時間遵守・TPOにあわせた振る舞い)が最低限レベルあるかどうかを確認している

のでは、と考えられます(このチャートは能力と意識の両面を再確認するうえでも有用です)。

実際に対策したこと

情報収集(セミナーなど)

合格した方の中には、2次筆記試験後からすぐに対策を始めた方もいるかもしれませんが、私の場合は筆記試験の手応えが「全くなかった」こともあり、口述対策は一切やっていませんでした。このため、口述試験資格者の発表(12月上旬)の直後にやったのはセミナーなどでの情報収集でした。具体的には

①口述対策の無料動画を見る

②受験生支援サイト(一発合格道場、タキプロ、ふぞろいなど)の対策セミナーを受講する

③予備校の口述対策セミナーを受講する

などの選択肢があり、私は①ではTACの無料動画で全体像を把握(発表翌日)、②一発合格道場の対策セミナー受講(発表週の週末)、③MMCの対策セミナー受講(発表週の翌週平日)を通して一気に追い込みをかけました。

事例文の読み込みと想定問答の整理

口述試験で問われる問題には「知識系(知っているかどうか)」と「分析・助言系(事例を把握できているかどうか)」があります。このため、基本の対策としては「事例文の読み込み」と「想定問答の整理」が有効です。

事例文の読み込みにあたり、ただただ読んでいても眠気ばかり襲ってきてしまうので、事例毎に1~2時間ほどかけて以下のような「整理・分析シート」を作りました。

企業の基本プロフィール:業種、創業、資本金、従業員数、売上高

外部環境:顧客、競合他社、市場

内部環境:事業・商品、生産・技術、組織・人事、財務

・その他:経営目標、事業展開のテーマ、提言・助言できること

そしてその後、各セミナーでもらった想定問答を活用しながらインプットしていきました。時間の無い方はいきなり想定問答のインプットでも口述試験自体は通ると思いますが、実際の診断実務やコンサルティング業務を想定した場合、整理・分析の作業を疎かにはできません。単に口述を突破するためだけでなく、今後に繋がることをイメージしながらこれらの作業を行いました。

模擬面接

各セミナーを通して、口述試験にはおおよそ一定のパターンがあることがわかりました。

①面接官は2名ずつ

②事例Ⅰ~Ⅳについてランダムに問われ、概ね2つの事例から2問ずつ=計4問程度出題される

③面接の持ち時間は10分弱。冒頭の挨拶(氏名、生年月日の確認)を除くと、1問あたり約2分程度

④わからない問いに対して、面接官が助け舟を出してくれることもある

この「約2分」というのがなかなか難しいのです。実際にやってみると痛感しますが、冗長すぎたり、短すぎたりするわけです。各セミナーでも口述試験対策の模擬面接がありましたが、前日などは家族(妻)にも相手になってもらい、模擬面接官になってもらいました。

大事なポイントと感じたのは、「問いの内容を落ち着いて噛み砕き、できるかぎり論理だてて説明すること」「わからないものはわからないで構わない。ごまかさず正直に、ハキハキと振る舞うこと」です(なんだか新人社会人の研修みたいです。でもこの基本こそが重要なのだと思います)。

この記事を読んでくださっている方はおそらくあと一息のところまで来ている方かと思います。最後までやりきって、有終の美を飾りましょう。

 

口述試験を含めた2次試験合格発表後のアクションについてはこちらにまとめているので、宜しければご覧ください。

診断士2次試験合格発表後にすぐやったこと1

診断士2次試験合格発表後にすぐやったこと2

それでは、よい一日を。

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